※本の内容にかなり触れています。
本記事では、昔から愛されているレオ・レオーニの『あおくんときいろちゃん』を紹介します。
レオ・レオーニが孫たちにお話をせがまれ、偶然できあがった絵本です。

私自身は大人になって、こどもができてから初めて読みました。
本書の最後のページには、このように書いてあります。
アメリカでは、この絵本の、青と黄とが重なってまったく違った緑になるというテーマが、人と人の心の融和を暗示するものとして、おとなたちの間でも好評を博しています。
引用 あおくんときいろちゃん
色が重なって変わるのが分かれば楽しいなという気持ちで買いましたが、一度読むと思うところがあり心に残る本でした。
- 『色』『まる』『友達』『親』を学ばせたい年齢のこどもがいる
- 青と黄色が好きなこどもがいる
- 抽象的な絵本が読みたい
あおくんときいろちゃん
- 著・イラスト:レオ・レオーニ
- 翻訳 :藤田圭雄
- 発売日:1967/6/1
- 出版社:至光社
- サイズ:19.56×1.52×20.57 cm
- 単行本:44ページ
あらすじ
絵の具で描かれた青と黄色の“まる”が主人公です。
顔や身体の描写もありません。
あおくんときいろちゃんは友達で、いっしょに遊んでいるうちに重なってみどりちゃんになってしまいます。
緑色になったまま家に帰ると、あなたはこの家の子ではないとそれぞれの親に言われます。
悲しくて泣いていると青色と黄色の涙となりこぼれだし、2人は元に戻ることができました。
2人であおくんの家に行くと、きいろちゃんを抱っこしたあおくんの親が、重なったところが緑色になると気付きます。
あおくんときいろちゃんの親同士も重なると緑色になるという理解して、ものがたりは終わります。
仲間はずれ
抽象的に“まる”だけで表現されていて、想像力が試される本になっています。
子どもの絵本でありながら、重たいテーマを扱います。
『知らないものを知ろうともせず、拒絶してはいけない』という教訓が得られます。
青と黄色を混ぜると緑になることを知らなかった親たちが、『あなたは誰?』とも問わず自身のこどもを追い返してしまう場面が印象的です。
小さい二人が泣いて元に戻る場面では、ただのまるなのに、哀しみが感じられて不思議です。
最終的には親同士もハグをすると緑色になることを確かめ合うシーンで、知って理解することは大切だと表現していると感じました。
事実を知ってからもこどもに謝ることはないのか…とも思いましたが、そこは読み手が考えるところだと割り切られたのだと思っておきます。
『混ぜると色が変わる』学び
言葉が増えた3歳の娘に読み聞かせたところ、青と黄を重ねると緑になることは新たな発見だったようです。

赤と白の粘土を混ぜるとピンクになることも、保育園で驚いていたそう
絵の具や粘土遊びのきっかけにもできそうです。
英語版のレビューも必見
かんたんな英語で表現されている『little blue』と『little yellow』の物語です。
『〇〇くん』、『〇〇ちゃん』という性別を想像させる表現がされていないのも特徴です。
Amazonレビューには英語など他の言語圏からもレビューが寄せられていて、世界的な人気が伺えます。

レビューの翻訳もできるので、一度見てみるとおもしろいですよ
まとめ:色が分かったら読ませたい
2歳ごろは、登場するいくつもの『色』と『まる』のかたちを楽しめたら十分でしょう。
紙の質感もツルツルではなく、でこぼこザラザラとしていて、指先で手触りも楽しめます。

年齢が上がって友達も増えてくるころには、自分と友達との違いも学んでくれるのではないでしょうか。
ちがいを知って、受け入れることの大切さを学べる一冊、ぜひ手に取ってみてください。
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